悲しきポータルサイト~後編

  昨日の続きです。

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  ライブドアのポータルサイト・ビジネスの根幹は、閲覧者を増大させて、ポータルへの広告収入等を収益にするというものである。そのビジネス・モデルの一環として、近鉄球団買収に名乗りを挙げ、また、堀江自ら広告塔となりテレビ出演することにより(注1)、ライブドアという会社の知名度を上げた。そして、"ライブドア"という抽象的存在の具現化であるポータルサイト・ライブドアも人口に膾炙されることになり、集客・動員力(=閲覧者数)はうなぎ上り、飛躍的に増加したことが、現象として確認されている。

  バラ色がまぶしい戦略成果である。MBAのケース・スタディに取り上げられてもおかしくない。すなわち、知名度アップのための営業活動→ポータルサイトへの集客アップ→広告収入の拡大。黄金の三段論法の完成である。しかし、三段目の広告収入の拡大には、辿り着けなかった。なぜか?同記事は、続ける。


ライブドアの広告主が少なかったのは、万人受けを目指す消費財企業などが敵対的買収のイメージを敬遠したからだ。


  記事では、敵対的買収という、それこそ万人が納得する負のイメージを例に挙げるにとどまっている。しかしながら、同じく万人が薄々と感じているように、「カネで買えないモノはない」と豪語する堀江自身への拒否反応(=アレルギー)が、広告主の胸を去来していたであろうことは、想像に難くない。

  繰り返しになるが、ポータルサイト・ビジネスは、客寄せビジネスである。多数の動員を背景に、広告掲載空間としての価値を向上させる。非常に単純明快である。しかし、その単純なビジネス・モデルが、実は単純ではなかったのである。すなわち、ポータルサイトには、集客動員力と同程度か、あるいはそれ以上に、空間・場として、ある種の品位が要求されていたのである。

  この"誤謬"は、インターネットのポータルサイト事業特有のジレンマであろうか?広告収入依存業態といえば、身近なところでは放送業界がある。視聴率競争に奔走する姿から明らかである。明の部分はきらびやかなテレビ局。そんなエスタブリッシュメント企業も、華麗な上っ面を開けてみれば、客寄せビジネスである。彼らも、ライブドアの物悲しい蹉跌を他山の石として、謙虚に学ぶ時が来たのかもしれない。

(注1)
ライブドアのナンバー2と言われている宮内が、「堀江は客寄せパンダ、人を呼べるコンテンツだ」という内容の発言をしている模様が、テレビで放送されていた。それを、痴呆的ニヤツキでコメントするニュースキャスター・・・。正直、吐き気がしました日曜夜。
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by keroyaning | 2006-02-03 07:53
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