カテゴリ:社会( 9 )

社会:音色を磨こうぜ!
 近所の八百屋で、新キャベツを購入しまして、青々しいそいつを千切りにして、ハムエッグなんぞを載せて食らいました。ピチピチしているくせに、しっとり感があって、春を感じました。近所の八百屋で買物すると、店のおばちゃん(残念ながらお姉さんではない・・・)と話したり、「顔」が見えるから好きです。
 
---

 なんてな、カッコつけた戯言は置いておきまして。ちょっとビックリなニュースに、私は驚きました。
 「音色を磨け~都響が能力による年俸制」
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20050409/eve_____kei_____000.shtml

 成果主義が初めて導入されたのは、1994年の管理職を対象とした富士通が最初だったと思いますが、それから十年が経って、いよよ芸術(正確に言うとオーケストラ)の世界にも広がったわけですね。しかし、このところ「成果主義」には、冷たい風が吹いているように思います。「短期的な利益の追求に走ってしまい、長期の展望が描けない」、「営業などは数値化が可能であるが、バックオフィス業務の評価はどうよ?」、「成果に関係ないから、他人の電話なんて出ないもんね、ヘヘヘ!」。というような弊害が、色々と指摘されています。

 事業会社ですら、制度疲労している(らしいのに)、ラスト・サムライ登場!のような形で、オーケストラにも「音色を磨けや!」ってな論点から、「成果主義」が導入されたのですね。うーん、どんなもんでしょうね。オーケストラは集団ですから、きっちりと組織化されることは大切だと思います。そこで、「成果を出せ、出る杭になれ!」というと心配になりますね。

 そこで、評価ポイントを読んで見ました。
 「自己の役割を十分に認識し、事前の準備やリハーサルに熱心に取り組み、演奏技術などの向上に努めた(エッヘン!)」という一例が挙げられています。

 ええっ!?
 私がびっくりしたのは、実は、ここなのですよ。
 「事前の準備に熱心に取り組んでいなかったのかよ!おいっ!!」
 「技術などの向上に努めた、ってどうやって評価するのだよ?」
 これなら、出る杭に悩まされることはなさそうですね・・・。

 記事によるとアメリカのオーケストラでは、既に導入されている例もあるので、上手く行くとよいですね。

p.s.
音楽と言えば、
最近、ライブハウスにちょくちょく顔出しています。
(といっても観たり聴いたりのお客さんとしてですけど・・・ショボショボ)。
小さな小屋でアコースティックなジャズやブルースを聴きながらグラスを傾ける。
なかなか楽しいものです。なにより小さいところですから、演奏者の「顔」が見えます。
本文で書いたオーケストラも「成果主義」がキッカケとなって、「顔」の見えるオケになるとヨイですね。
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by keroyaning | 2005-04-09 19:02 | 社会

時評:退行現象と過渡期の春。
  季節は三寒四温。桜咲くのかな?まだなのかな?とじれったい季節ですね(昨日と同じかよ!という突っ込みはしばしお待ちを)。四季の移ろいを人工言葉で表するのは不届き千万なことだと思いますが、話を繋げるために、季節は、春という過渡期にあるのでアル」と放言してみます。

  閑話休題。社会は過渡期にあるようです。
 過渡期とは?手元の「新明解 国語辞典(第二版)」(三省堂)で引いてみると

物事の移り変わりの最中で、これでいいというものが定まらない混乱の時期

  と定義されています。移行期で価値観の絶対軸が動揺してしまっている状態、ということですね。

  さて、本日(3月30日)の日経産業新聞に次のような記事が掲載されています。

野村不動産は社内のノート型パソコンを減らし、デスクトップ型への切り替えを進めている。(中略)個人情報が入ったノート型パソコンを社外で盗まれたためだ


  デスクトップPCだと持ち歩けないから、社外で盗まれる心配がないという発想ですね。4月1日に施行される個人情報保護法を受けての処置だと思います。他にも、私の知人が勤務する会社では、個人のパソコン端末でインターネットに接続できないような緊急処置が施されたという話も聞きました。業務上、ワールドワイドなインターネット情報を必要とするときは、社内ネットワークからは独立した専用端末で情報を取得するという運用のようです。
  
  時節柄とはいえおもしろい現象ですね。持ち運びの利便性を生かすために、ノート型パソコンが生まれ、技術者が額に汗し努力して、ひたすらに軽量化を目指していたパソコン。しかしここにきて、バカデカパソコンなら、持っていけないだろ?盗まれないだろう!という一種原始的なトンデモ防衛策。そしてインタネット接続不能化。世界中の情報がリアルタイムで見られるのは便利だけど、情報が漏れてしまうくらいなら、いっそのこと回線切ってしまおうや!国交断絶だ!という、これまた奇想天外な対処法。いずれの方策も時代(正確には技術進歩)に逆行する流れですね。ドッグ、ドッグとドッグイヤーで走ってきて、ちょっと疲れたから休もうやという表れなのか、微笑ましいです。

  情報漏えい対策以外にも過渡期の無茶はあります。日経金融新聞3月29日に「究極の防衛策は非公開化」というコラムが掲載されていました。それによると、株式を公開する意味は「新株を発行して機動的に成長資金を調達するインフラを得ること」である。しかし、一方で「市場の原理」に晒されてしまい、会社の土台たる(もちろん従業員が一番の土台だと思いますが、ここでは資本制度上の土台に限定)株式が不特定多数の人間間で売買されるゆえに、会社が砂上の楼閣となってしまう危険性がある。そこで、機動的な資金調達とやらはもういいから、鎖国しちまおうぜ!ということが最大の防衛策であると論じているのです。

  このように、社会がさまざまな局面で価値観の不安定な過渡期であり、現在のトレンドは鎖国化にあるようです。ドッグイヤーからマウスイヤーへの更なる高速化の時代。疲れた現代人を神様さんが哀れに思って、ちょっとばかりゆっくりしたらどう?と優しく声をかけてくれているのかもしれませんね。

p.s.
「この時代は過渡期であったのだ」という後付けの分析がありますが、生活している人間にとっての「現代」は、いつの時代においても、価値観の不安定な動的な時間だと思います。

また本文で述べた「鎖国」トレンド、あくまで社会システム上での退行現象であり、私たち個々人としては、幅広く好奇心豊か前向きに動きたいものですね(自戒を込めて)。季節は、移り変わりの最中で、新しいことが起こるかもしれない「過渡期」の春です。
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by keroyaning | 2005-03-30 18:44 | 社会

社会:戦いの行方を離れて、その二~リストラ戦役。
  安定株主が見直されている、という話の続きです。

  まず安定株主とは何でしょうか?広辞苑を引くと、

会社の業績や株価の動向に左右されずに、長い期間株式を安定的に継続保有する株主。関係金融機関など。

と定義されています。力強いですね。発行体である企業の業績にこだわらずしっかりと保有してくれる株主です。
  手元のアンチョコ歴史本を紐解くと、戦後GHQによる財閥解体で株式の分散化が進んでいたが、1950年代に独禁法が改正され、1964年OECD加盟を契機に資本の自由化が脳内脅威となり、外国資本の来襲に備えて企業間での株式持合いが進行した、とのことであります。更に、1980年代になると、低金利を背景に企業の投資意欲が旺盛になり新株式発行を伴うエクイティファイナンスが頻繁に行われだのでアリます。新しく発行される株式は、バブルでお金が余っているが投資先に困っている企業が引き受けます。株価は右肩上がりの時代ですから、引き受けた企業も美味しい、お金を調達した企業も海外でビルや土地を買い漁って美味しい。みんな美味しく嬉しい時代だったようです。
 
  そんな美味しい食卓も永遠には続きません。バブルの崩壊で株価は下落してしまいます。しかし「株価の動向に左右されない」安定株主さんは、まだ頑張ります。購入した値段よりも株価が下がったとしても、売却しなければ損が表面化しないという天晴れな会計制度にも支えられて、安定株主、頑張ります。

  ところが、1997年、大きな転機を迎えます。大蔵省が中心となって、日本版ビッグバン(金融大改革)の一環として、時価会計へ向けて商法の見直しに着手したのです。時価会計とは、売却しないから表に出ない含み損も晒してしまおうゼ!という会計制度です。堆積した含み損を抱えた企業は大慌てです。一度に市場で売却してしまうと、ただでさえバブル後最安値を更新している指標株価は大幅に下落してしまいます。そこで、1997年11月、制度として立会外取引が始まり、価格インパクトを吸収した取引制度が出来上がりました。役人さんGJ!でしょう。
 
  しかし、折りしも金融危機が忍び寄ってきていました。11月3日に「東洋一のトレーディングルーム」を誇った三洋証券に始まり、17日に八大都市銀行の北海道拓殖銀行、24日に四大証券の一角山一證券と毎週のように大きな金融機関が倒産していきます。
  このような金融危機の戒厳令下では、銀行を中心とする企業グループというのは、夢幻の産物となってしまったのです。企業や銀行は、取引先との関係あるいは系列なんてな「情」に棹している場合ではないと、なりふり構わず保有株式の売却を進めます。リストラクチャリング(事業の再構築)の嵐です。再構築という錦の大義名分ではありますが、実態は保有資産を売却し、保有人員を削減する再構築一色となっていきます。言葉は独り歩きを始めて、リストラといえば「人員削減=解雇」という物言いすら跳梁跋扈してしまいます。ここに、古き良き日本的経営の権化である株式持合い制度、終身雇用制度が、儚くも一夜の夢と崩れ落ちてしまったのです。
 

  そして現在。
  特殊な事情はあるにせよ、フジテレビは取引先等50社に対して、自社株取得を要請しているとのことです。事態は、コストカッティングが一回りしての志新たかな攻撃的前進なのか、はたまた緊急避難的ノスタルジックな退行なのか、十年後くらい経ってから、振り返ってみたいものですね。


p.s.
今回の騒動の発端となったライブドアによるニッポン放送株大量取得。
その先制攻撃手段として用いられた立会外取引が1997年に開始されました。
ライブドアが、最終的に狙っていると巷間囁かれているフジテレビ。
そのフジテレビ株が上場して市場の脅威にさらされることになったのも同じく1997年です。不思議な巡り合わせです。因果は巡るということでしょうか。
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by keroyaning | 2005-03-27 13:55 | 社会

社会:戦いの行方を離れて、その一。
  以前(3/15)、放言しましたニッポン放送株を巡るガチンコ対決。
 
  白馬に乗ったソフトバンクグループ登場で、戦況は風雲急を告げてきましたね。当事者は否定していますが、教科書的にはホワイトナイトという奴ですね。
  もっとも、直感的には、本家筋の意向を汲んだSBI組組長が、「おいっ!大概にしとけや、小僧!ケツに火ぃつけたるぞ、おうっ!」と恫喝しているように思えます。いや、仁侠映画好きの私の個人的感慨ですが。
 
  ところで、一連の騒動で「安定株主の復権」という副産物が生まれたように思えます。日本的慣行の恥部とさえ喧伝された安定株主。実は、その安定株主に対する世間の毀誉褒貶が、私たちの身近な生活とおもしろく関連しているのです。このことについて、少々真面目にお話していこうと思います。
(続きます)

p.s.
本文中でSBIの北尾CEOについてふざけた表現で評しました。
しかし、ライブドアがLBOによる資金調達契約前に、突然に登場したこと。
これは、大人の優しさだと私は思います。私は、そんな彼の「大人の解決方法」に期待しています。
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by keroyaning | 2005-03-26 21:23 | 社会

社会:戦いのゆくえ。攻略本を片手に、勉強しようゼ!
前回の続きです。

 檄文調子の見出しの他に、「TOB」「ポイズンピル」「ワー・チェスト」「クラウンジュエル」「レーダー・アラート」「レバレッジド・バイ・アウト」etcという専門用語も平然と使われていますね。中には、軍事・戦略用語に由来する言葉も混じっています。ワイドショーで、わかりやすく解説している(らしい)のは、各テレビ局のやさしさでしょうか。
 私のよく行く焼鳥屋でも、こぶしを振り上げて「リーマンも腰を引き気味だし、ライブドアのワー・チェストは大丈夫なのか?」「焦土作戦の遂行には、後方に肥沃な戦略拠点が控えていることが不可欠だぞ!フジ参謀はわかっているのか?」と、熱燗を片手に熱く語るサラリーマンがたくさんいらっしゃいます。外見は、普通のおじさん達ですから、軍事マニアの方々が、「焼鳥屋で戦略会議を開こう(・∀・)ヤッホー!イイネ―!!」オフを開いて、楽しんでいるわけではないでしょう。

 この一連のガチンコ対決。1980年代、アメリカ資本市場では、日常茶飯事の出来事でした。昨日は、ドコソコが炎上したけど、今日あっちのイナセなあいつがホワイトナイトとなってドコソコ陣営に付いたらしいぜ!というような話ですね。その当時、証券業界や関係企業に身を置いていた方々は、リタイア先でのんびりとコーヒーを飲みながら、今回の騒動に懐かしさを覚えていらっしゃるのではないでしょうか?

c0072240_1161671.jpg 歴史を教訓に未来を占いたいという進取の精神旺盛な方は、遠藤幸彦「ウォール街のダイナミズム」(野村総合研究所)がまとまっているので、一読されると勉強になりますよ。あと、直接には関係ないですが、蔦川敬亮「ニューヨーク探検学」(原書房)は、当時の最先端ニューヨークの風物を描いたおもしろい本で、いわば80年代アメリカ資本市場の生活史です。「ヤッピー」「パワーランチ」「カウチポテト」等、懐かしい言葉が満載ですよ。この本については、最近読み返して、とてもおもしろかったので、いずれ別稿で詳しく書いてみたいと思っています。

 ところで、ホリエモンの支持層。てっきり、リッチでヒルズな生活に憧れる若い人が中心かと思いきや、五十代半ばのいわゆる「団塊の世代」が大きな支持層になっているそうですね。ちょっと驚きました。彼らは、学園紛争にも「従軍」した世代ですので、今回のようなドンパチに共感を覚えるのでしょうかね?あるいは、ネクタイをゲバ棒に持ち替えて「祭りの季節は終わった」とつぶやき、不本意な宮仕えをして高度成長に寄与して、今、定年を迎える彼ら。自分たちが成せなかった既成秩序の打破!を息子世代のホリエくんに託しているのかもしれませんね。
 東大安田講堂での立て篭もりは1969年。その翌年に、大阪万博が開催されています。そして、今年も愛知万博が開催されます。なんか、歴史(なんて大そうなものじゃないか)の巡り合わせは、おもしろいですね。

 とあれ、戦いのゆくえに目が離せません(・・・本音は、飽きてきたよ)。

p.s.
「TOB」以下の合計6つの言葉。
先日、述べた檄文見出しのどれか一つと関係があります。
(例えば「TOB」は、「TOB戦線で・・・」と関係がありますね)。
それでは、残り5つの言葉と関係が深い檄文見出しはどれでしょう?
皆さんも、ティー・ブレイクの時間にでも、イロエロと考えてみてください。

p.s.
ガチンコ勝負の一番の楽しみ方は、
どちらかの陣営を応援することですが、
本稿を書くに際しては、公正中立のスタンスで慎重に書いたつもりです。

あと、いわずもがなのことですが、
本文中の檄文見出しは、断りを入れましたとおり誇張されていますし、
全て私の創作(というか妄想の表出)です。本気にしないでくださいね。
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by keroyaning | 2005-03-19 10:11 | 社会

社会:戦い?の行方はいずこへ?~ニッポン放送騒動。
  私の愛読する「日刊ゲンダイ」等の夕刊タブロイド紙はもちろんのこと、一般紙上においてさえも、毎日 のように、過激な見出しが、紙面を踊っていますね。そう、ニッポン放送株の争奪戦です。
  構図は簡単明瞭。水面下から急浮上したライブドア騎馬戦部隊に対して、迎え撃つのはエスタブリッシュメント・フジテレビ。一体、どちらの陣営に勝利の女神は微笑むのか?あるいは両者、共倒れに終わるのか?関係のない私も、傍から見ていて、とてもドキドキしています。
  いささか誇張が入っていますが、過激な見出しは、こんな感じの檄文調で謳われます。


パリは燃えている!!

潜水艦ライブドア号、電光石火の先制攻撃!ToSTNeT水道を隠密裏に侵攻。ニッポン放送、出火炎上だ!



めんどくさいから鎖国しちまおうぜ!

苦虫顔の日本政府、水道一部封鎖と三角合併解禁延期へ!
法案改正に向け、急ピッチで作業を開始!



その時、不吉な予言が下された

ライブドアのアキレス腱は、伸び過ぎた兵站線にあり(軍事評論家の間で懸念の声高まる)



歓喜の歌声はどちらに?

TOB戦線、フジが圧勝!フジ会長、高らかに勝利の雄叫びを上げた!



手打ちはあるのか?

六本木vsお台場「仁義なき戦い~頂上決戦」、本家筋である裁判所の審判へ!



ガダルカナルの再現!?

法廷戦線、起死回生の大逆転!ホリエモン軍団、六本木指令本部に凱旋帰国だ!



今宵の美酒はなんだ?

(・∀・)ウマソー!ボクモ、マゼテヨ~!



嗚呼、悲しみの大地に花は咲くのだろうか?

ニッポン放送、焦土作戦表明に賛否両論の声!



奇策の教訓?

フジ、大幅増配で本土防衛を急ぐ!
リベンジに向け、背面の憂いが消えた今、正攻法で正面突破だ!ガンガレ!チョー、ガンガレ!!


 
進軍ラッパが鳴り響く!

ライブドア、LBOで軍資金調達?本体は持株会社化?
鶴翼陣形で、お台場城下を囲い込むのか?
未確認だから疑問符ばかりだけど、とりあえず煽っておくか(´ー`)y─┛~~」


とまあ、こんな感じです。
さながら、実録雑誌の目次みたいですね。
(・・・話は、明日へ続きます。)

参考文献:日刊ゲンダイ、アサヒ芸能、週刊ポストetc

p.s.
明日は、真面目なコメント(というか背景)を出します。
金曜日の独り宴で盛り上がっている、私を許してください。

p.s.
初めてトラックバックさせてもらいました。
http://www.tez.com/blog/index.html
真面目に勉強されたい方は、必読です。
真面目じゃなくても、ワイドショーをヘェヘェ!
と言いながら、眺めていたい方には、とても参考になるブログですよ。
今すぐ、レッツゴーだ( ゚Д゚)ゴルァ!
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by keroyaning | 2005-03-18 21:09 | 社会

今日からは歩く花~♪:アノマリー現象について、その三。
  話は1990年代に入ります。先に述べましたように、THE BLUE HEARTSは、1990年7月25日に、シングル「情熱の薔薇」を発売します。この曲は、学園ドラマの主題歌にもなり、お茶の間を席捲し、オリコンチャート1位を記録します。重厚なサウンドをバックに、ロマンティックな詩を野太い声で歌いあげるスタイルは、デビュー直後の疾走期と変わりませんが、どこかソフィスティケートされたまとまりの良さが感じられます。
  
  同じ頃、社会では株価は、天井を打ったものの、バブルの余韻は続いています。1991年に、ジュリアナ東京がオープンし、同年放送された「東京ラブストーリー」に代表されるトレンディードラマが、空前の視聴率を稼いでいました。後者は、洗練された主人公たちが、スタイリッシュな部屋で生活を送りながら、昔ながらの恋愛に悩むというやつですね。当時、薄汚い浪人生だった私には、星霜の彼方のようなお話でしたが、正直、カッコいいですな。

  しかし、世の中、明るいことばかりではありません。1990年8月2日、イラクがクウェートに侵攻し、その対抗として、翌91年1月17日、アメリカを中心とする多国籍軍がイラクを空爆します。湾岸戦争の勃発です。緑がかったテレビゲームのような空爆映像は、お茶の間でリアルタイムに放映されたものですね。私も釘付けになりました。この年には、ソビエト連邦が崩壊するという大きな出来事が起こってもいます。歴史的には、こちらの方が特筆されるべきでしょうが、湾岸戦争の鮮烈な映像が強く心に残っており、あんまり記憶にない、という方も大勢いることでしょう。

c0072240_13424360.jpg  THE BLUE HEARTSも、不安定な世相と軌を一にして、煮詰まり停滞してしまいます。ライブでは初期の頃から演奏されていた「TOO MUCH PAIN」を発売するなど、新機軸を悩みながら模索する様子が窺えます。そんな重たい空気を吹き消すように、1993年、起死回生のアルバム「STICK OUT」が発売されます。黎明期の彼らを髣髴させるスピード感溢れる曲の連打に、完全復活を信じたファンの方も大勢いたと思います。私も、「なんという熱い疾走感だろう!初期の青臭さはないけど、誰もが成長して大人になるものだ、貫録勝ちだな!」と、首肯し嬉しく歓迎しました。
 
  そんな喜びも束の間で、1994年の後半から、彼らの音沙汰が途絶えてしまいます。そして、1995年5月17日、ラジオ番組内で、突然の解散発表。その様子が、テレビの特集内で放送されているのを聴きましたが、こんな感じだったと記憶しています。


(今後の予定は、あるのですか?と明るく問われて)
ヒロト「いや、特にないですねえ、解散することくらいですかねえ」。


  鮮烈なデビューは衝撃的であり、解散もまた驚きに発表され、ここに10年間に渡る彼らの活動は停止されました。
  
  社会では、後の世に「失われた10年(ロスト・ナインティーズ)」と呼ばれる低迷期に突入し、彼らの解散した1995年には、1月17日「阪神・淡路大震災」、3月20日「地下鉄サリン事件」と立て続けに暗い出来事が起こり、不穏な空気が人々を重苦しく包み込んでいました。解散後の、1995年7月10日、アルバム「PAN」が発売されます。その中の「歩く花」でヒロトは、こう歌います。

c0072240_1343516.jpg
今日からは歩く花

根っこが消えて足が生えて

野に咲かず 山に咲かず 愛する人の庭に咲く



  悲しい歌詞ですね。厳しい世界には疲れたから、暖かいところでのんびりしたいよ・・・、という後ろ向きな心境が感じられてしまいます。もちろん、これで駄目になってしまうヒロトではなく、後に「不死身の花」という曲で、しっかりと復活しますよ。
 
  
  以上、長々と弁舌を振るって来ましたが、「アノマリー現象について」をおしまいにさせてもらいます。THE BLUE HEARTSの活動史について、下記の参考文献をとても利用させてもらいました。ありがとうございます。

参考文献:「ブルーハーツと日本のパンク」(別冊宝島、宝島社)

p.s.
上記の参考文献でも、バブル経済との関連性が「ブルーハーツとレイト80‘s」という記事で触れられています。
書く際に、読み直しませんでしたが、一度読んだことは事実であり、知らないうちに類似点が出てしまっているかも知れません。不快に思われたら、本当に申し訳ありません。

p.s.
「歩く花」は、とても悲しい歌ですが、とても大好きな曲です。
大好きな曲が多過ぎて困りますが、いつでも私のBEST5に入ります。
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by keroyaning | 2005-03-13 13:47 | 社会

どこまで行くの~♪:アノマリー現象について、その二。
  THE BLUE HEARTSの軌跡とバブル経済膨張・崩壊には、アノマリー(=奇妙な一致)があるという話の続きです。
  
  まず、THE BLUE HEARTSについておさらいをしましょう。
  彼らは、1985年2月に結成され、4月3日に初ライブを行い、12月24日に初ワンマンライブを行うと同時にソノシート「1985」を配布しています。初期における彼らのスタイルを端的に表現した名フレーズ「僕たちを縛りつけて、一人ぼっちにさせようとした全ての大人に感謝します。」は、この「1985」で唄われる歌詞であります(恋人たちの暖かい聖夜に「一人ぼっち」というのも心憎いですね)。THE BLUE HEARTSにとって1985年は、記念すべきデビューの年であり、初期鳴動の勢いで躍動した年であります。
  
  では、その年、社会では、何が起こったでしょうか?経済史の教科書を紐解くと、1985年、「プラザ合意」と太字で書かれています。解説を読むと、アメリカの貿易赤字の解消を目的に、ドル安を先進国みんなで実現しましょう、そして日本は、金融緩和(=金利引下げ等)を行い、お金をたっぷり垂れ流して内需拡大を図りなさいよ、ということが先進国G5の間で決められたのでアール、とあります。お金のだぼつき、すなわちバブルの発生ですね。
  当時、私は悩み多き花の高校生でしたので、バブルの恩恵をたっぷりと受けたわけではありません。しかし、年齢を偽りもぐりこんだ工事現場のアルバイト先での大盤振る舞いを思い起こすと、「豊かな」時代だったのだなあ、と実感します。

  こうして、良くも悪くもバブル経済の産声の中で、THE BLUE HEARTSは結成され、躍進していったのです。勢い留まる事を知らず、1987年、1stフルアルバム「THE BLUE HEARTS」を発表して、日本中の人々の度肝を抜き、うら若き少年少女を歓喜感涙の渦に巻き込みます。1988年には、自主制作で「チェルノブイリ」を発表し、多くの大人たちも彼らに注目するようになりました(彼らの素晴らしさを語る部分では、若干ながら主観的誇張が混じっていますが、「チェルノブイリ」の衝撃は、客観的にもとても大きなものだったと思います)。
  
  悲しいことに、社会では、チェルノブイリ事故等の環境破壊もなんのその、札束がばら撒かれ、バブルも順調にブクブクと膨らんで行きます。THE BLUE HEARTSに対して、サラリーマンや学生が、「トレーン、トレーン!走ってゆく~~」と叫ぶ景気づけソングとしての大きな需要はありましたが、黒人たちを乗せて豊かなシカゴを目指す北上列車の悲哀を歌う詩への共感はありませんでした。

c0072240_18501496.jpg  1989年。この年は、THE BLUE HEARTS、社会、いずれにとっても大きな転換点となった年であります。前者については、初の海外ツアーを行い、翌年90年には、彼ら最大のセールスを記録したシングル「情熱の薔薇」が発売されます。そして後者の社会情勢については、日経平均株価が、「五万円も夢ではないぞ、このヤロウ!」な気分が蔓延する中で、1989年12月は29日の大納会に、史上最高値3万8915円を記録します。この年の忘年会は、それはそれは、凄かったのだろうなあとしみじみと想像が膨らみます。

・・・続き(おそらく最終回)は、また後日に書かせていただきます。

参考文献:「ブルーハーツと日本のパンク」(別冊宝島、宝島社)

p.s.
実家に戻って、ちびっ子と遊ぶはずが、
風邪を引きかけているようで、やめにしました。
独り寂しく夕食を食べ終えたところです。皆さまもご自愛ください。
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by keroyaning | 2005-03-12 18:59 | 社会

栄光に向かって~♪:アノマリー現象について、その一。
  先日、大和総研が「サザエさんの視聴率が株価に連動している」という、おもしろいレポートをまとめました(http://www.dir.co.jp/research/report/equity-mkt/quants/05021402quants.pdf)。
 このように、理論的に説明できないのだけれども、なんだか結果オーライとして関連性が認められてしまう事態をアノマリー現象と言います。日本株は四月に上昇する傾向があるよ!月曜日の株価は高いよ!というような経験則のことですね。
 少し毛色の違ったところでは、有楽町ガード下あたりでお父さんたちが楽しそうに、「栄光の巨人軍九連覇(1964年~1973年)と我らが高度経済成長は奇妙に一致するのでアル」と楽しそうに語らう光景もよく目にします。
  そこで、私も毛色の違うアノマリー「奇妙な一致」を探してきました。
 
c0072240_1605522.jpg  その昔、THE BLUE HEARTSという素晴らしいバンドが存在しました。1987年5月1日にシングル「リンダリンダ」でメジャーデビューを果たし、思春期の少年少女の胸を鷲掴みするに止まらず、広く世の中を席捲して社会現象にもなりました。見識の高い人間(私のことです)は、バンドの中心メンバーである二人を評して、「日本のレノン&マッカートニーの誕生に立ち会えたものであるよ!」と声高に喧伝していたものです。
  
  彼らの素晴らしさについて語るにやぶさかではないのですが、朝までかかっても語り尽くせないので、冒頭に述べたアノマリーの切口から、彼らに触れたいと思います。
 
 THE BLUE HEARTSの軌跡と、絢爛豪華でキンキラキンなバブル経済誕生・成長、そして「夢よ、もう一度!っていうか助けてくれ!!」なバブル崩壊の歴史の間には、不思議な共通項が見られるのである。

・・・続きは後日、書かせていただきます。

p.s.
これから、実家に戻って、ちびっ子くんたちと遊んであげるおじさんになります。
遊んでもらう、というのが正確なのですけどね・・・。
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by keroyaning | 2005-03-12 12:51 | 社会

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